「失敗は成功のもと」
クラスの掲示物に、この言葉が多く並んだ。
この言葉は有名な発明家、トーマス・エジソンによるものと言われている。
失敗を恐れずにチャレンジしよう、という前向きな言葉だと受け取ることができる。
だが、失敗というのはそんなに簡単なものではない。
6年生にもなればわかるとは思うが、世の中には「許されない失敗」というのは確実に存在する。
・仕事で、自分が発表をする重要な会議に出席することになっていたが、寝坊して遅刻してしまった。
・大事な試合がある日、持ち物を確認しておらず、家に忘れ物をしてしまった。
・自分としては意識せずに発した言葉が、ある人をひどく傷つけてしまった。
こういった「失敗」をしたとき、「失敗は成功のもと」と考えることが正しいと、本当に言えるだろうか。
時間がたち、振り返った時に、「その失敗があったから今がある」と思えることはある。
だが、失敗を前向きに捉えるというのは、決して「失敗しても大丈夫」ということではないと思う。
大事なのは、失敗の中身であり、その失敗にどう向き合うかだ。
「宇宙兄弟」という漫画には、次のようなセリフがある。
「本気でやった場合に限るよ。本気の失敗には、価値がある。」
自分への甘えや、気遣いの足りなさが生んだ失敗を価値あるものとするのは、間違いだとわたしは思う。
本気で取り組んだことの結果が「失敗」となったとしても、そこには挑んだ価値が必ずある。
そうして向き合うことができれば、必ず未来につながることになる。
そうすれば、「失敗」ではなく、自分への学びとなる。
すなわちそれは、「成長」という名の「成功」だ。
失敗は成功のもと。
その言葉は、失敗を成長への材料とするだけの意志が重要だということを教えてくれる。
ちなみに、エジソンの名言には次のようなものもある。
「成功の反対は、失敗ではない。挑戦しないことだ。」
失敗に対する意識を高く持って、成長していきたいものだ。