しらTの部屋

小学校教員としての日常や感じたことをつらつらと書き綴ります。

#59 「191日目 生まれて初めてのプレゼント」

この話は、以前にしたことがあるかもしれない。

 

生まれて初めてもらったプレゼントのことを、覚えているだろうか。

おもちゃ。ゲーム。ぬいぐるみ…。いろいろなものが浮かんでくるかもしれない。

でも、それらはみんなが成長してから、もらったものだ。

 

生まれて初めてのプレゼント。

それは、「名前」である。

生まれた子どもに、親はさまざまな思いや願いをこめて名前をつける。

いや、「つける」のではなく、「贈る」のだ。

 

この小学校生活を通して、おそらく君たちがどの言葉よりも多く書いたのが、自分の名前だと思う。

 

私は、名前を大切にしたい。

だから、4月に「あだ名決め」を行った。友だちの名前に親しみをこめたり、自分の名前と向き合ったりしてほしかったからだ。

一年間、健康観察リレーとして、名前を呼んで返事をしてきた。名前を呼んで、返事をする。これが卒業式でも行われるのだから。

 

始業式の日。

1組と2組がクラスを発表され、「もう呼ばなくても、これが3組やん」という空気が漂っていても、私は全員の名前を呼んだ。

 

私は、名前を大切にしたい。

卒業式の中で、私が出せる声は、みんなの名前を呼ぶ声だけだ。

だから、返事に期待したい。

 

世界でただ一つ、自分だけに与えられた、生まれて初めてのプレゼントである、名前。

 

覚悟を持って、呼びたいと思う。