#38 「172日目 布団の中」
布団の中は、暖かい。
だから布団の中は、みんなが安心できる場所。
果たして本当に、そう言えるだろうか。
元日に石川県を襲った地震。
被災し、避難所での生活を余儀なくされている人たちがいる。その人たちにとって、布団の中は、本当に安心できる場所だろうか。
いまだに戦闘が続く地域がある。
なんの罪もない人が、軍事攻撃にさらされている。
住む家や家族を失った人たちがいる。
その人たちにとって、安心な場所とはどこなのだろうか。
こんなことを言い出せば、誰にとっても安心な場所など、この世にはないのかもしれない。
では、教室はどうだろうか。
この教室は、みんなが安心して暮らせる場所だろうか。
例えば、こんな教室だったら、どうだろう。
互いにいがみあい、攻撃し合う教室。
無気力で、やるべきことが行われない教室。
自分勝手で、集団の成長を考えない教室。
そこにいたいと、思うだろうか。
世界で一つの、絶対に安心な場所などなくても、わたしたちには明日が来る。
明日もまた、教室には人が集まる。
この教室が、明日もまた来たいと思える場所になるように。
わたしたちに何ができるだろう。
この教室に通えるのも、あと26回だ。